『インドに ある水運び人は、2つの壺を持っていました。
天秤棒の端に それぞれ壺を下げ、ご主人様のために毎日 水を運びます。
その壺の1つにはひびが入っています。
もう1つの完璧な壺は、小川からご主人様 の家まで一滴もこぼさないのに、
ひび割れ壺は、ご主人様の家に着くころには、水が半分になっているのです。
完璧な壺は、いつも自分を誇りに思っていました。なぜなら、本来の目的を達成することができているから。
ひび割れ壺は、いつも自分を恥じていました。なぜなら、本来の目的の半分しか達成することができなかったから。。。
2年がすぎ…すっかり惨めになっていた ひび割れ壺は、ある日 川のほとりで水運び人に話しかけました。
「私は自分が恥ずかしい。そして、あなたにすまない…と思っている。」
「なぜ、そんな風に想うの?」と水運び人は尋ねました。
「この2年、私は水を半分しか運べなかった。水が漏れてしまうから、あなたがどんなに努力しても、それが報われることはない。私はそれがつらいんだ。」
水運び人は、ひび割れ壺を気の毒に思い、そして言いました。
「これから ご主人様の家に帰る途中、道端に咲いている綺麗な花を見てごらん。」
天秤棒にぶら下げられて丘を登るとき、ひび割れ壺は、お日様に照らされ 美しく咲き誇る道端の花に気付きました。
花は本当に美しく、壺はちょっと元気になった気がしましたが…
ご主人様の家に着く頃には、また水を半分減らしてしまった自分を恥じて、水運び人に謝りました。
すると、水運び人は言ったのです。
「道端の花に気付いたかい?花が君のそばにしか咲いていないのを気付いたかい?
僕は、君から溢れ落ちる水に気がついて、君が通るそばに花の種をまいたんだ。
そして、君は毎日 僕たちが小川から帰る時に水をまいてくれた。
この2年間、僕はご主人様の食卓に花を欠かしたことがない。
君があるがままの君じゃなかったら、ご主人様は この美しい花を 家で見て 感じる事ができなかったんだよ。」
… … …
… … … …
人間 誰しもひびを持っています。
わたくしにも ひびがあります。
自分の『ひび』を恥ずかしがるより…
あるがまま…の自分に…
気づけますように…。
mitoco