本日は、日本を代表するハーブの一つ、緑茶についてお話させて頂きたいと思います。というと…
「えっ!緑茶もハーブなのですか?」と思われるかもしれません。
世界のハーブ界から見れば、緑茶も、ハーブの一つとして存在しております。
日本人にとって 緑茶は日常の飲み物ですので、ハーブという意識はあまりないかもしれませんが、
緑茶にはどのような効能があるのかを簡単にお話させて下さい。
緑茶が持つとされる効能はとても多いのですが、やはり今の時期ですので、
緑茶を飲むことで、免疫力を向上させ、生活習慣病全般に良いとされています。
食中毒の予防や口臭予防にも良いといわれております。
今、毎日欠かさず緑茶を飲むという習慣は…もしかしたら少し薄れているのかもしれません。
わたくしが子供の頃は、食卓には常に急須があり、食事が終わった後はもちろんですが、
一息入れたい時、お客様がいらした時…緑茶は日々の欠かせないものとして存在していました。
緑茶の香りを嗅いだ時、緑茶を飲んだ時、心がホッとし、癒された感覚を思い出せると思います。
日常の生活に当たり前にあった緑茶が、日本人の健康な体や心の一部を担ってきたといえると思います。
わたくしがイギリスにいた時、緑茶にローズをブレンドしたお茶でおもてなしをすると大変喜ばれました。
緑茶はツバキ科の植物ですが、紅茶も中国茶も同じツバキ科の仲間です。
それぞれの国で、それぞれで発展し、それぞれの文化ができました。
英国では、貴族のアフタヌーンティとして、中国では食事と共に、
日本では茶道(道)として平等精神で伝統が根付いております。
日本人の心を表す「平和」と「平等」。
茶室でお茶を飲むという事は人はみな「平等」になります。
身分の差や主従関係、武士は刀を取り、天下人も必ず頭を下げなければ茶室の中に入ることができない空間。
茶室ではすべての人が「平等」になります。
緑茶の香りと味を楽しむ優雅な時を楽しむ一方、
冷えたご飯に温かいお茶をかければ、「お茶漬け」という魔法の食べ物が出来上がり、
忙しく働く人にも一杯の温かいお茶は働く人の味方になりました。
日本のすべての人々の生活を支えてきた緑茶は、日本人の誇りの一つです。
そして、ツバキ科の緑茶は、動物は食べられないのだとか…
神が人間だけに与えた植物なのかもしれません。
わたくしは英国で植物療法を学んでいた時、当時の先生方から「ハーブは神様からのおくりもの」と学びました。
足りないところを補い、過剰なものは流してくれるハーブの力には、心から感謝の思いが溢れます。
日本の文化に根付き、日本人の身体や心の健康を守る、様々な効能を持つ緑茶ですが、
この緑茶を…「おもてなしの心でお茶を淹れる」…
わたくしの大好きなエピソードのひとつを ご紹介させていただきます。
皆さま よくご存じの天下人 豊臣秀吉ですが、
豊臣秀吉と家臣石田光成の出会いのエピソードに 「三献の茶・おもてなしの心」というものがあります。
石田光成が寺の小姓だったころ、豊臣秀吉が 鷹狩の帰りに この寺に立ち寄りました。
その時光成は、最初に 大ぶりの茶碗に なみなみとぬるめのお茶を 秀吉に出しました。
すると ちょうど 鷹狩で のどが渇いていた秀吉は 一気にお茶を飲み、喉の渇きを潤しました。
次に光成は、中くらいの茶碗に やや熱いお茶を 秀吉に出しました。
秀吉は やや熱いそのお茶を ゆっくりと味わいながらお茶を飲みました。
そしていよいよ秀吉が 寺を出発する時、
光成は 小ぶりの茶碗に きゅっと熱いお茶を少し 秀吉に差し出したのです。
この 光成の心配りの ゆきとどいたお茶の出し方に 感じ入った秀吉は、
光成を城に連れ帰って 家臣にし、二人は強い信頼の絆で結ばれていきました…
というエピソードがあります。
・・・お茶一杯の出し方で心がつなぐ、
そんなハートあふれる わたくしが大好きなお茶のエピソードです。
緑茶だけでなく、ハーブの一つ一つには様々な効能がありますが、
単に効能だけを求めるのではなく、
わたくしも このような目の前にいる方の 心の動きを見て お茶を淹れるように 努めて参りました。
100%できたかどうかはわかりませんが…これからも 心のこもったお茶を淹れたいと思います。
本日は日本を代表するハーブの一つ、緑茶についてお話をさせて頂きました、
いかがでしたでしょうか。
mitoco
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